「ミニさくら」と「キッザニア」
冬休み前、12月16日の社会教育論「Ⅸ 子どもの社会教育をめぐって」で、子どもの社会参画の学びとして、「ミニさくら」をとりあげた。桜、ではなく千葉県佐倉市である。ドイツのミュンヘンで20年以上の歴史を持つ取り組み「ミニミュンヘン」に習った「子どものまち」がミニさくら。2005年の報告書には次のように書かれている。
子どもが色々な仕事を体験し、給料を稼いで使うことができる「ミニさくら」は、一見、最近注目されている「職業や社会の仕組みの体験学習」の試みと思われがちだ。しかしそれはごくわずかな一面である。 ミニさくらの醍醐味は、子どもたちが主体となって、面白さ、楽しさを追求しながら思いっきり主体性と想像力を発揮できる「遊びのまち」を創造することにある。 (『子どもがつくるまち ミニさくら2005報告集』NPO子どものまち、p.2)
同様の取り組みは、千葉県の佐倉市周辺、また他県にも広がっているという(子どもの参画情報センター編『居場所づくりと社会つながり』萌文社、2004年、p.55)。子どもの参画に向けた学びの場としても、地域通貨を活用するひとつの形としても興味深い。
似たような、しかしずいぶんと異なるものを、先日テレビで見かけた。7日の土曜日、TBS系の『知っとこ!』で「2006トレンド ザ・ベスト10」として、今年の流行予想の第1位に挙げられていた「キッザニア東京」だ。キッザニアは、「おしごと体験タウン」をコンセプトとするメキシコ生まれのテーマパーク。銀行、病院、空港、テレビ局から料理教室、コンビニまで、実物の3分の2の街の中で働き、「キッゾ」という通貨を手に入れ、買い物をしたり、運転免許を取ったりできる。各パビリオンにはスポンサーがついており、「本物」が体験できるのだという。
江東区豊洲にできるというキッザニアには、大型ショッピングセンターやシネコンが隣接。子どもたちが遊んでいる間に大人はゆっくり買い物ができるということらしい。子どもたちはIDチップ入りのセキュリティブレスレッドを着け、居場所がすぐわかるだけでなく、退場するときも最初に登録したメンバーが揃って初めて出られる仕組みで安全にも配慮されている。
「真のエデュテイメントをめざす」というキッザニア、テーマパークとしてはこれまでにないもので、おそらく多くの人を集めるのだろう。また、学校との連携ということも出てくるに違いない。ただ、スポンサーがついて、実物そっくりな街がすでに出来上がっており、セキュリティも万全という空間は、子どもたちが想像と創造の主体となって遊ぶ場に、どれだけなり得るのだろう。また、「本物」を体験できるというが、例えばミニさくらが行われる商店街は、日常は子どもたちや大人たちがふだんの買い物をする、まさに「本物」だ。やはりキッザニアは、ミニさくらのような取り組みとは似て非なるものになるのだろう。キッザニアのようなものがダメだという訳ではないが。
もうひとつ、運転士以外はすべて子どもが運営する列車というのがヨーロッパのどこだったかにあるのを、フジテレビ系「めざましテレビ」の「ワールドキャラバン」のコーナーで見た。これも、子どもたちが社会のしくみを学ぶ場として運営されており、親も子どもの頃に経験しているという家族も紹介されていた。ただ、これがどこの国のどこの街のことだかすっかり忘れてしまった。どなたか教えてくれないかしら。
ちなみに、「ワールドキャラバン」で検索してみたら、ヒットしたほとんどが「希望の轍」などBGMの話題と、ナレーションを担当している松浦亜弥のファンサイト。恐るべし、ハロ(以下、略)
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コメント
今週の「ワールドキャラバン」はハンガリーのブダペストでした。てことは、そうだ、子ども列車もハンガリーだ。
確認のために調べてみたら、ありました。たとえば下記URL(小澤武夫さんという、短大で音楽を教えておられる方のサイトでした)。別のサイトには「ピオニール鉄道」と書いてある。おぉ、ピオニール! 社会主義ソ連・東ドイツにおける、あるいは日本では水平社の運動における少年団のことですね。社会主義思想下でつくられた子ども列車が今に受け継がれているという訳です。
http://www.ogaki-tv.ne.jp/~ozawa0263/ym.html
投稿: 大坂 | 2006年1月13日 14時35分